インビザライン治療の失敗例!失敗の原因と対処法を解説!

透明なマウスピースを手に持っている女性

こんにちは。渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」です。

インビザライン治療は「治療効果が薄かった」「治療期間が長引いた」など、さまざまな失敗例があります。場合によっては、深刻な問題に発展する可能性もあるため注意が必要です。

今回は、インビザライン治療で失敗する原因や対処法について解説します。

インビザライン治療の失敗例

落胆している様子の女性

以下、インビザライン治療の7つの代表的な失敗例をご紹介します。

歯茎が下がった・歯根が露出した

治療中、歯を動かすための力が過度にかけられると、歯を支えている歯槽骨が過剰に吸収されます。これが原因で歯茎が下がり「歯肉退縮」が起こる可能性があります。歯肉退縮は一度進行すると自然に改善しないため、新たな治療が必要です。

また、歯肉退縮により、歯と歯の間に「ブラックトライアングル」とよばれる黒い三角形のすき間が出現します。ブラックトライアングルは、歯周病のリスクを高めるだけでなく、見た目にも影響を与え、歯が長く見えたり全体的に老けた印象を与えたりすることがあります。さらに、歯肉退縮により歯根が露出することもあるでしょう。

歯根は象牙質で覆われていないため、虫歯になりやすく進行が早いのが特徴です。

歯並びの悪さが悪化した

インビザライン治療で八重歯や出っ歯が改善したとしても、結果として正中がずれることがあります。正中がずれるとは、上下の歯が正確に噛み合う位置がずれることで、見た目だけでなく咀嚼機能にも影響を与えます。

また、歯のすき間が足りない状態で抜歯や歯間を削る処置(IPR)をさけた場合、全体のバランスを保つために歯が前方に出てしまい、出っ歯になることもあるのです。

噛み合わせが悪くなった

矯正治療の目的は、単に美しい歯並びを作り出すだけでなく、適切な噛み合わせも同時に作り出すことです。良好な噛み合わせは、咀嚼機能や発音、さらには顔の形にも影響を及ぼします。

しかし、インビザライン治療を行う歯科医師の知識や技術が不十分な場合、歯並びを治すことだけに焦点をあててしまい、噛み合わせまで十分に考慮できていないことがあるのです。結果として、美しい歯並びになったものの、噛み合わせが悪化するという問題が起こることがあります。噛み合わせが悪くなると、頭痛や顎関節症といったさまざまな問題を引き起こすこともあるでしょう。

治療を進める前に歯科医師の経験や知識を確認し、十分なカウンセリングを行うことが重要です。

虫歯・歯周病になった

食事後の歯磨きやマウスピースの手入れを怠った場合、口腔内の細菌が繁殖し、虫歯や歯周病を引き起こすことがあります。細菌の増殖は口臭の原因になるため、日々のケアは治療の成功を左右する重要な要素といえます。食後にすぐに歯を磨くこと、マウスピースの清掃をこまめに行うことが不可欠です。

もし、インビザライン治療中に虫歯や歯周病になった場合、矯正治療を中断し、虫歯や歯周病の治療を優先しなければなりません。虫歯や歯周病の治療により、矯正治療の期間が延長することが予測されます。万が一、歯を大きく削るなどの処置が行われた場合、マウスピースを作り直さなければならないこともあるでしょう。

治療効果が薄かった

インビザライン治療は矯正装置を正しく装着してこそ効果を発揮しますが、治療上のルールを守らないと効果が薄くなる可能性があります。矯正治療の基本として、指示されたとおりにインビザラインを装着することが必須です。

装着時間が短い場合や順番どおりに装着しない場合、想定していた治療結果を得ることが難しくなります。

治療期間が長引いた

歯を必要以上に削ってしまった場合、歯の移動距離が増えるため治療期間が延びることがあります。また、歯間を削りすぎた結果、作製済みのマウスピースがフィットしなくなるという問題も生じるでしょう。

新たなマウスピースの作製が必要となり、結果的に治療期間の延長につながります。

後戻りした

矯正治療が完了し、理想的な歯並びが得られたあとも、歯並びを維持するためには「保定期間」が必要です。

保定期間は、治療によって移動した歯が元の位置に戻らないようにする重要なステップです。歯並びが改善したからといって、保定期間をないがしろにすると、歯は元の位置に戻ろうとする力が働き、結果的に治療前の状態に「後戻り」する可能性があります。

インビザライン治療で失敗する原因と対処法

笑顔でマウスピースをはめようとしている女性

インビザライン治療で失敗する主な原因は、治療上のルールが守られていないことです。ほかにも、担当する歯科医師の知識や技術不足があげられます。

以下、インビザライン治療で失敗しないための7つの対処法をご紹介します。

装着時間を守る

インビザライン治療がうまくいかない主な原因のひとつは、マウスピースの装着時間の不足です。

治療効果を最大限に引き出すためには、1日20~22時間以上マウスピースの装着が必要です。食事や歯磨きを除いた時間は、基本的に装着しなければいけません。マウスピースの装着時間が確保できていないと、歯の動きが予定どおりに進まず、治療期間が延びる可能性や理想的な歯並びが得られなくなる可能性があります。

マウスピースの装着時間は、治療の成果を左右する非常に重要な要素といえるでしょう。

正しく装着する

手指だけでマウスピースの装着を試みると、歯にしっかりとフィットせず十分な圧力がかからない場合があります。結果的に歯の移動が予定どおりに進まないという問題が生じることがあります。

特に、新しいマウスピースに交換した直後の2〜3日間は、歯がまだ新しい位置に慣れていないため、マウスピースが浮きやすいです。対処法として「チューイー」とよばれる専用の補助具を活用することが効果的です。チューイーは、マウスピースを歯にしっかりとフィットさせるためのシリコン製のチューブ状のアイテムで、マウスピースを口に入れた状態で噛むことにより、適切な位置に装着することができます。

マウスピースを正しく装着できれば、予定どおりの治療効果を得られる可能性が高まります。マウスピースの装着は、矯正治療全体の効果を左右する非常に重要なステップなので、必ず正しい方法で行いましょう。

歯磨きやマウスピースのお手入れを怠らない

インビザライン治療を成功させるためには、歯磨きとマウスピースのお手入れが非常に重要です。

食べかすや汚れがマウスピースに付着し細菌が増えると、虫歯や歯周病、口臭の原因となります。そのため、食事のあとは必ず歯磨きをしましょう。また、マウスピース自体の清掃も怠らないようにしましょう。マウスピースは毎日の使用により、歯垢や食べかすなどが付着している可能性が高いです。

ただし、マウスピースの洗浄には注意が必要です。熱湯や歯磨き粉で洗うと、マウスピースが変形したり傷ついたりする可能性があります。マウスピースは、流水で優しく洗いましょう。

治療実績や経験豊富な歯科医師を探す

インビザライン治療の成功は、高度な技術と豊富な経験がある歯科医師によって大きく左右されます。

インビザライン治療はシミュレーション技術を用いて治療計画を立てますが、細かな調整や進行過程の評価は、歯科医師の専門的な知識と技術が求められます。インビザライン治療の歯科医院選びでは、歯科医師の経験や治療実績を確認することが重要です。クリニックのホームページなどを事前に確認して、信頼できる歯科医師を選びましょう。

抜歯やIPRの必要性を理解する

インビザライン治療では、歯並びの改善に適切なスペースを確保するために、抜歯やIPR(InterProximal Reduction)が必要となることがあります。一部の患者さまは、健康な歯を失いたくない、傷つけたくないという理由から、抜歯やIPRの処置をさける傾向があります。

しかし、スペースが不十分なまま無理に治療を進めてしまうと、結果的に噛み合わせの悪化や出っ歯になるリスクが高まるのです。インビザライン治療の成功のために抜歯やIPRの処置が必要と判断された場合、無理に拒むのではなく、必要性と効果を理解し検討する余裕をもつことが大切です。そうすることで、インビザライン治療で失敗するリスクを低減できるでしょう。

保定装置を適切に装着する

インビザライン治療が終了したからといって、治療が完全に終わるわけではありません。後戻りを防ぐためには、保定装置を適切に使用することが重要です。

矯正した歯並びを保つための重要なステップであり、軽視すると矯正治療が無駄になる可能性があります。保定装置の使用により、治療効果を長期的に維持することが可能となります。歯科医師の指示に従って、適切に保定装置を装着しましょう。

治療中に違和感があったら早めに歯科医師に報告する

インビザライン治療中に違和感があった場合、早めに歯科医師に報告することが重要です。

通常、新しいマウスピースに交換したあとの2〜3日間はマウスピースが浮きやすくなることがあります。

しかし、2〜3日間を超えてもマウスピースが適合しない、マウスピースを装着して痛みがあるなどの症状が続く場合は、何らかの問題が考えられます。例えば、マウスピースの装着方法に誤りがある、マウスピースが合っていない、計画どおりに歯が動いていないなど、さまざまな原因が考えられるでしょう。

早期に対処すれば、治療の遅れやさらなる問題の発展を防ぐことが可能です。治療がうまく進まない場合や違和感が続く場合は、すぐに歯科医師に報告して診察してもらうことが最善の対策となるでしょう。

まとめ

ポイントをまとめる女性

今回は、インビザライン治療の失敗例や失敗しないための対処法をご紹介しました。

失敗の原因は、治療上のルールが守られていないことや担当の歯科医師の技術不足などが考えられます。また、インビザライン治療はマウスピースが取り外し可能なため、自己管理が重要です。適切にマウスピースを装着・管理できていなければ、治療期間が長引くことや納得のいく治療効果が得られないことにつながります。

もちろん、患者さまだけが失敗の原因に関係しているわけではなく、担当する歯科医師も治療の結果に大きく関係します。インビザライン治療は、コンピューターを使用したシミュレーションによって治療計画を立てますが、患者さまの口内環境や治療の進行状況に合わせて、歯科医師が治療計画を調整しなければなりません。歯科医師に十分な知識と技術がなければ、インビザライン治療で失敗が起きやすくなるでしょう。

インビザライン治療で失敗しないためには、インビザライン治療のメリット・デメリットをよく理解し、信頼できる歯科医師を選ぶ必要があります。ホームページなどで歯科医師の経歴や治療実績を確認し、治療前のカウンセリングの際に気になることがあれば質問しましょう。

インビザライン治療を検討されている方は、渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。