こんにちは。渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」です。
「マウスピース矯正をするときに抜歯は必要?」「抜歯をせずに治療できないの?」などの疑問を持つ方もいるでしょう。できるだけ歯を抜かずにマウスピース矯正をしたいと思う方は多いです。
しかし、抜歯をしたほうがよい症例も少なくありません。
今回は、マウスピース矯正で歯が動く仕組みや抜歯が必要なケース、抜歯するメリットやデメリットをご説明します。マウスピース矯正を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
マウスピース矯正で歯が動く仕組み
マウスピース矯正は、マウスピースを装着することで歯に圧力をかけ、歯並びを誘導する方法です。マウスピースが歯を動かす仕組みは、以下のとおりです。
- 現在の歯並びと少しずらしたマウスピースを装着することで歯が動き始める
- マウスピースの形と同じ歯並びになる
- マウスピースを交換して、次の歯並びに歯を移動させる
上記のサイクルを繰り返して、徐々に歯を移動させることで理想の歯並びに近づけます。
矯正前の口腔内の状態をもとに治療計画を立て、マウスピースを作成します。1〜2週間に一度のペースでマウスピースを交換することにより、少しずつ歯を動かすのです。マウスピースは、透明なため目立ちにくく、取り外しができるため、多くの人に注目されている矯正治療といえるでしょう。
マウスピース矯正で抜歯が必要になるケース
「マウスピース矯正は抜歯をしなくてもよい」と聞いたことがあるかもしれません。
しかし、抜歯が必要なケースもあります。抜歯をするかどうかは、矯正歯科専門医のなかでも見解が異なる場合があるので、いくつかの矯正歯科医院を受診して診断してもらいましょう。
抜歯が必要になる主なケースは、以下のとおりです。
歯週病・虫歯があるケース
重度の歯周病や虫歯で、マウスピース矯正に耐えられない場合は抜歯を行います。例として、重度の歯周病で歯茎や歯槽骨が弱くなっている場合や、削る治療や神経を抜く抜随の治療を行うだけでは治らないほど悪化した虫歯がある場合が挙げられます。
歯茎や歯槽骨が弱くなっていると、矯正の途中で歯が抜けることも少なくありません。重度の歯周病や虫歯がある場合は、マウスピース矯正を開始する前に抜歯したほうがよいでしょう。
歯の生え方や生える位置が悪いケース
歯の生え方や生える位置が悪く、マウスピース矯正だけでは理想の歯並びにならないと判断された場合は抜歯が必要です。例えば、噛み合わせがずれている場合や、歯が重なって生えている場合が挙げられます。また、出っ歯(上顎前突)の場合も抜歯する場合が多いでしょう。
顎の大きさが原因で歯並びが乱れているケース
歯の大きさに対して顎が小さく歯並びが乱れている場合、抜歯をする可能性が高くなります。顎が小さい場合は、歯が並ぶスペースが足りず、矯正がスムーズに行かない可能性があるのです。
顎の成長が終わった大人が矯正する場合、顎を広げるのは難しいです。歯がきれいに並ぶスペースを作るために抜歯をして、マウスピース矯正を開始します。
マウスピース矯正で抜歯が必要ないケース
抜歯をせずにマウスピース矯正が可能なケースも少なくありません。顎を広げられる時期に矯正を行う場合や歯が並ぶスペースを作れる場合は、抜歯せずに治療できるでしょう。
マウスピース矯正で抜歯が必要ないケースは、以下のとおりです。
こどもがマウスピース矯正を行うケース
こどもがマウスピース矯正を行う場合、抜歯なしで治療ができる症例が多い傾向があります。こどもは、成長過程のため顎の骨がやわらかく、マウスピースで顎の成長を促すことや理想の歯列に誘導することが容易なためです。
お子さまの歯並びが気になる場合は、早めに受診することで抜歯の可能性を減らせるでしょう。
IPR調整でスペースを確保できるケース
IPR調整を行うことで十分なスペースを作れるケースでは、抜歯の必要がありません。
IPRとは、歯を少しずつ研磨し歯が並ぶためのスペースを作る処置です。歯の表面にあるエナメル質を0.1mmほど削ります。研磨する厚さはほんのわずかですが、複数の歯を少しずつ研磨することで矯正に必要なスペースを確保します。
歯列を広げることが可能なケース
歯列を広げることが可能なケースでは、抜歯が必要ありません。
マウスピースを長期間使用することで、歯槽骨に圧力をかけます。圧力を受けた歯槽骨は少しずつ横に広がり、理想の歯並びを得るために必要なスペースを作る方法です。こどものように顎全体を広げることができなくても、歯槽骨を広げることでスペースを確保できる場合があります。
奥歯を後ろに動かせるケース
奥歯を後ろに動かせるケースでは、抜歯をせずに矯正できることも珍しくありません。
アンカースクリューというチタン製の小さなネジを歯槽骨に埋め込み、ネジを支点として力をかける方法です。奥歯を後ろに動かす矯正は、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正が適しているといわれています。
抜歯をして矯正治療を行うメリット・デメリット
歯並びの乱れが軽度な場合は抜歯をせずに矯正できることも多いですが、歯並びの乱れが重度な症例では抜歯を避けられないケースが珍しくありません。
抜歯をして矯正するメリット・デメリットをご紹介します。抜歯をせずに矯正治療を行うデメリットもご紹介しますので、参考にしてください。
抜歯をして矯正治療を行うメリット
抜歯をして治療矯正するメリットは、以下のとおりです。
- 難しい症例でも矯正しやすい
- 治療期間が短縮できることがある
- 治療計画を立てやすい
抜歯をすることで、歯並びを矯正するために必要なスペースを確保できるため、難しい症例にも対処できます。歯を効率的に動かせるので、複雑な矯正の治療期間が短縮できるケースも少なくありません。特に、矯正が難しい症例の場合は、抜歯することで歯を誘導しやすくなります。
歯の動きのシミュレーションも容易になるため治療計画を立てやすいこともメリットでしょう。
抜歯をして矯正治療を行うデメリット
抜歯をして矯正治療を行うデメリットは、以下のとおりです。
- 健康な歯を失う
- 抜歯後に痛みや腫れが生じる
- 治療中の審美性が劣る
健康な状態の歯を抜かなければならないことは、最大のデメリットといえるでしょう。
矯正のためとはいえ、健康な歯を抜きたいと思う方はほとんどいません。矯正が完了するまでの一時的なものですが、抜歯後にスペースができるため審美性が気になる方もいるでしょう。
抜歯をせずに矯正治療を行うデメリット
「抜歯が必要といわれたけれど、歯を抜きたくない」と思う方も少なくありません。
しかし、抜歯が必要な重度の症例で歯を抜かずに治療した場合は、以下のリスクが伴います。
- 歯がきれいに並ばない
- 噛み合わせが悪くなる
- 出っ歯になる
- 横顔のバランスが崩れる
歯並びが理想どおりに並ばない、出っ歯になるなど、納得のいく治療結果が出ない可能性があります。噛み合わせが悪くなり顎に負担がかかたり、横顔のバランスが崩れて見た目に影響が出たりするケースも多いです。
抜歯するかしないかなどの治療計画は歯科医師によって判断が異なるので、いくつかの歯科医院を受診して抜歯をするか決めましょう。
抜歯をするタイミング
抜歯をすることが決まった場合、マウスピース矯正を開始する前に実施するのが一般的ですが、マウスピース矯正の途中で抜歯をすることもあります。
矯正歯科医院で抜歯ができない場合は、一般歯科や歯科口腔外科など、ほかの歯科医院で抜歯を実施する必要があります。抜歯をするタイミングは、歯科医師と話し合って決めることが大切です。
抜歯後のマウスピース矯正について
抜歯をしたあとすぐにマウスピース矯正を始められるのかどうか、気になる方もいるでしょう。
マウスピース矯正は、抜歯後に傷が回復した時点で開始できるケースが多いです。また、抜歯直後は歯槽骨が安定していないため、歯が動きやすくスムーズに矯正が進みます。傷の回復速度には個人差があるので、抜歯後いつからマウスピース矯正を始めるかは担当の歯科医師と相談してください。
抜歯をした歯並びをマウスピース矯正で整える場合、治療期間の目安は2〜3年です。抜歯が必要ない軽度の症例に比べると、治療期間が長くかかります。
まとめ
歯並びの乱れが重度の症例の場合、抜歯が必要になるケースもあります。矯正治療のための抜歯には、健康な歯を失うデメリットや痛みを伴うデメリットがあることは否定できません。
しかし、矯正治療をスムーズに進めて成功に導くためには必要な処置の場合も多いのです。抜歯をすることで理想的な歯並びを手に入れられるだけでなく、噛み合わせがよくなる可能性もあります。矯正治療を開始するときは、抜歯の有無も含めて、担当の歯科医師とよく話し合って治療計画を決定してください。
マウスピース矯正を検討されている方は、渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。