インビザラインによって起こる奥歯のトラブル!原因と対処法を解説!

マウスピースをはめようとする女性

こんにちは。渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」です。

インビザラインは歯並びを整える治療ですが、奥歯が浮いたり噛み合わせが悪くなるトラブルが起きることがあります。インビザラインによって奥歯にトラブルが起こる原因は、マウスピースの装着時間が短いことや正しく装着できていないことなどが挙げられます。インビザラインによる奥歯のトラブルを放置すると、治療が計画どおりに進まないだけでなく、健康に影響が出るかもしれません。そのため、原因を突き止め、早急に対処することが重要です。

今回は、インビザラインによって起こる奥歯のトラブルの原因と対処法について解説します。

インビザラインとは

青い背景の前でマウスピースを手に持っている

インビザラインとは、マウスピースを使用して歯並びを矯正する矯正治療のひとつです。薄くて透明なマウスピースを使用するため、目立たないことが一番のメリットです。

ワイヤー矯正のように一気に歯を動かすのではなく、徐々に歯を動かすので、違和感や痛みが出にくいといわれています。また、自分でマウスピースを交換して治療を進められるので、通院回数が1〜2か月に一度の頻度で済みます。忙しくて頻繁に歯科医院に通えない方に向いている矯正治療といえるでしょう。

インビザラインによって起こる奥歯のトラブル

奥歯を痛がる女性

インビザラインは、専用のソフトを使用し、治療前から治療終了までの歯の移動をシミュレーションして確認できます。歯並びはもちろん、噛み合わせも確認できるため、インビザラインによって治療前よりも噛み合わせが悪くなることはありません。

しかし、マウスピースを外している時間が長い場合や正しく装着できていない場合、インビザラインによる奥歯のトラブルが起きる原因になります。インビザラインによって起こる奥歯のトラブルは、奥歯が浮いたり奥歯がうまく噛み合わなくなったりすることが挙げられます。インビザラインによる奥歯のトラブルを放置すると、治療が計画どおりに進まず、治療期間がのびた分の追加の処置や、費用がかかってしまうかもしれません。

次に、それぞれのトラブルの原因と対処法を解説します。原因を突き止め、なるべくはやく対処しましょう。

トラブル①奥歯が浮く

大きく口を開けて奥歯を確認する女性

インビザラインによって起こるトラブルのひとつが、奥歯が浮くことです。

そのまま放置すると、歯が矯正できず、治療がうまく進まない原因になります。

奥歯が浮く原因

インビザライン治療で奥歯が浮く原因を解説します。

装着時間を守っていない

インビザラインによって奥歯が浮くのは、マウスピースを外している時間が長いことや正しくマウスピースを扱っていないことが原因です。

インビザライン治療では、1日20~22時間、食事や歯磨き以外の時間はマウスピースを装着することを前提に治療計画を立てています。そのため、取り外しの回数が多い場合や、装着するのを忘れていた時間が長い場合、計画どおりに治療が進みません。治療が計画どおりに進まないと、奥歯が浮くだけでなく、歯が後戻りする原因にもなります。

マウスピースが変形している

マウスピースを正しく使用できていないことも、奥歯が浮く原因です。

強い力や衝撃に弱いプラスチック製のマウスピースは、力がかかることで簡単に変形してしまいます。今までマウスピースが違和感なく装着できていたのに奥歯が浮くようになった場合は、マウスピースが変形していると考えられます。

チューイーを使用していない

チューイーとは、インビザラインでマウスピースをしっかり装着させるための補助用具です。

インビザラインは、マウスピースがしっかり装着できていなければ歯並びをきれいに整えられません。そのため、チューイーを使用せずにマウスピースをつけたり、噛んでマウスピースをはめたりすると、奥歯が浮くことにつながります。マウスピースは手指だけで装着せず、チューイーを使用して装着しましょう。

対処法

インビザラインで奥歯が浮いた時の対処法は、以下の3つです。

  • 装着時間を守る
  • チューイーを使用する
  • ひとつ前のマウスピースに戻す

インビザラインによって奥歯が浮くようになったら、マウスピースの装着時間の見直しと正しくマウスピースを扱えているか確認しましょう。

マウスピースの1日の装着時間が20時間より短い場合、奥歯が浮くだけでなく、マウスピースが入らなかったり歯が後戻りしたりする原因になります。インビザライン治療は、1日20~22時間以上装着することが推奨されていますが、奥歯が浮いていると感じた場合、可能であれば22時間以上つけて様子をみてみましょう。

また、チューイーを使用せずにマウスピースを装着すると、奥歯が浮くことがあります。特に、新しいマウスピースに交換して数日間は、まだ歯が動いていないので、手指ではしっかり装着できません。チューイーを噛んだ後、噛み合っていない奥歯を重点的に噛むようにしましょう。

ほかにも、歯が十分に動いていないのに次のマウスピースに進んでしまうと、奥歯が浮くことがあります。この場合は、新しいマウスピースをつけるのをやめて、ひとつ前のマウスピースに戻しましょう。

奥歯が浮いたまま放置することは、治療の遅れや歯が正しく動かない原因になります。上記の対処法でも奥歯が浮くことを改善できない場合は、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

トラブル②奥歯が噛み合わない

歯を気にして口元に手を当てる女性

インビザライン治療は歯並びを整える治療ですが、治療中や治療後に奥歯が噛み合わないトラブルが起こる場合があります。

正しい噛み合わせとは、奥歯で噛んだときに上の歯が下の歯に2~3mm被さっている状態のことです。噛み合わせが深すぎたり浅すぎたりする、またはずれが生じていると、噛み合わせが悪いといえるでしょう。

奥歯の噛み合わせが悪い状態で放置すると、以下の症状が出るかもしれません。

  • 食べ物が噛みづらい
  • 顎関節症のリスクが上がる
  • 肩こりや頭痛の原因になる

奥歯がうまく噛み合わないことで、食べ物が食べづらくなります。咀嚼機能が落ちると、食べ物を細かくできないまま胃腸に運ぶことになるので、消化器官にも負担がかかります。また、奥歯が噛み合わないことで体に負担がかかり、顎関節症や肩こり、頭痛が生じるなど、健康に影響が出る場合があるため注意が必要です。

奥歯が噛み合わない原因

インビザラインによって奥歯がうまく噛み合わなくなる原因をご説明します。

奥歯の沈み込み

インビザライン治療では、マウスピースの厚さの分、噛み合わせたときに奥歯が先に当たることで、奥歯がうまく噛み合わなくなることがあります。これは、マウスピースの厚さ分(0.5mm、上下装着すると1mm)、常に奥歯に力がかかることで、歯茎のほうに奥歯が沈み込んでしまうことが原因です。

特に、食いしばりや歯ぎしりの癖がある場合、ふだんの噛む力よりも強い力が奥歯にかかり奥歯が沈み込みやすくなるので注意が必要です。

歯の移動距離が長い

インビザライン治療では、治療前にシミュレーションで歯がどう移動するのか確認できますが、シミュレーションどおりに歯が動くとは限りません。歯を動かそうとする距離が長ければ長いほど、矯正治療が難しくなり、噛み合わせにトラブルが出る可能性が高くなります。

マウスピースがフィットしていない

マウスピースがフィットせず、ずれが生じてしまうことも奥歯が噛み合わなくなる原因のひとつです。

歯が小さい、低いなどの形状の問題や、アタッチメントの位置が悪いことで、マウスピースと歯がフィットしないことがあります。奥歯が噛み合っていない状態で放置すると、うまく治療が進まないので、歯科医師に確認してもらうとよいでしょう。

奥歯が噛み合わないときの対処法

インビザラインによって奥歯が噛みあわないときの対処法をご説明します。

マウスピースを調整する

マウスピースの厚みで奥歯が沈み込んでいる場合、マウスピースを調整することで奥歯の噛み合わせを改善できるでしょう。奥歯に力がかかりすぎないように、マウスピースを薄くしたり奥歯の部分をカットしたりします。

また、マウスピースの装着時間を減らすことも効果的ですが、装着時間を減らしすぎると歯が後戻りしてしまうので、歯科医師の指示に従うようにしましょう。

顎間ゴムを使用する

上下の奥歯のすき間が大きいことが原因で噛み合っていない場合、顎間ゴムを使用するとよいでしょう。

顎間ゴムとは、上下の歯にボタンをつけてゴムをかけ、噛み合わせを整える治療法です。噛み合っていない奥歯に顎間ゴムをつけることで、噛み合わせをコントロールできます。

ワイヤーを使用する

上記の方法でも奥歯の噛み合わせが改善しない場合は、マウスピースだけで治すことは難しいため、部分的にワイヤーを使用します。

奥歯の噛み合わせが悪い部分にワイヤーつけ、沈み込んだ奥歯をワイヤーでひっぱり、奥歯が噛み合うようにコントロールしなければいけません。

マウスピースを作り直す

治療が計画どおりに進んでいないことで奥歯がうまく噛み合っていない場合は、マウスピースの作り直しが必要になることがあります。

インビザラインは、歯型を取ってからマウスピースができるまで、約1か月を要します。マウスピースを作り直すと、治療期間がのびてしまうだけでなく、追加の費用もかかるります。奥歯が噛み合わないと感じたら、できるだけ早く歯科医師に相談しましょう。

まとめ

ケースの上に置かれたマウスピース

インビザラインの治療中は、奥歯が浮いたり奥歯がうまく噛み合わなかったりすることがあります。これらの原因は、マウスピースの装着時間を守っていない、正しくマウスピースを装着できていない、マウスピースが歯にフィットしていないことが挙げられます。インビザラインによって奥歯が浮いたり、うまく噛み合わなくなったりしたら、まずはマウスピースの装着時間や装着方法などを見直しましょう。

インビザラインによって奥歯の噛み合わせが悪くなったまま放置すると、食べ物がうまく噛めなかったり顎関節症になったりと、口腔内だけでなく、全身の健康状態に影響が出るかもしれません。また、治療がうまく進んでいないことでマウスピースの作り直しが必要になることもあります。奥歯が噛み合わないと感じたら、できるだけ早く歯科医師に相談しましょう。

インビザラインを検討されている方は、渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。