こんにちは。渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」です。
八重歯とは、歯列から外れた位置に生えている前から3番目の歯(犬歯)のことです。「笑うとちらっと八重歯が見えて可愛い」とされていたこともありますが、見た目が悪いことや虫歯になりやすいことから、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
八重歯は、基本的にはマウスピース矯正で治療可能です。歯並びや顎の状態によっては、治療できないこともあるでしょう。
今回は、マウスピース矯正で八重歯を治す方法や、治療期間、費用について解説します。マウスピース矯正で治療できない八重歯の症例もご紹介するので、参考にしてください。
目次
八重歯とは?
八重歯とは、歯列から外れた位置に生えている前から3番目の歯(犬歯)のことです。ガタガタした歯並びである、叢生(そうせい)とよばれる不正咬合の一つです。
歯が重なり合って生えている状態なので、食べ物が詰まりやすく虫歯になりやすいといえます。歯ブラシだけでは汚れを除去することが難しいため、改善したほうがよいでしょう。
八重歯になる原因とは?
八重歯になる主な原因は、以下の2つです。
- 顎が小さい
- 顎に対して歯が大きい
顎の成長が不十分で顎が小さい場合、歯がきれいに並ぶためのスペースが足りません。本来の位置からずれて生えることで、八重歯になります。
顎の成長が不十分になる原因は、授乳期間が長かったことや、幼児期に柔らかいものばかり食べていたこと、指しゃぶりやおしゃぶりなどを長期間続けたことなどが挙げられるでしょう。
特に、おしゃぶりなどを吸う動きは、口をすぼめるため筋肉が硬直します。顎の成長を妨げる原因になるといわれています。こどもの頃の食生活や生活習慣が顎の成長を妨げ、八重歯になることがあるのです。
顎の成長に問題がなくても、顎に対して歯が大きいことで歯が並ぶスペースがなくなり、八重歯になることもあります。
八重歯を放置するリスクとは?
八重歯を放置するリスクは、以下のとおりです。
虫歯や歯周病になりやすい
八重歯のように歯が重なり合ったガタガタした歯並びは、歯磨きがしづらく汚れが溜まりやすいため、虫歯や歯周病になるリスクが高いです。特に、歯と歯の間や八重歯の裏側、歯と歯茎の境目などが磨きづらいため、注意して磨きましょう。
八重歯と隣接する歯の重なりが大きい場合、隣接する歯も虫歯や歯周病になりやすいです。八重歯を矯正し、虫歯や歯周病になるリスクを減らしたほうがよいといえます。
口臭が悪化する
八重歯は、唇側にずれて生えていることが多いです。そのため、口が閉じにくい、口呼吸になりやすいなどの問題を引き起こします。
口が常に開いている場合や、常に口呼吸をしている場合、口内が乾燥しやすくなるでしょう。細菌が繁殖しやすいため、口臭の原因になることがあります。
噛み合わせが悪くなりやすい
本来、八重歯(犬歯)は、下の顎を横にずらしたときに奥歯にかかる衝撃を和らげる役割を果たしています。顎をずらしたときに上下の犬歯が当たることで、奥歯を守っているのです。
歯列からずれた八重歯は役割を果たせず全体的な噛み合わせが悪くなるため、奥歯に負担がかかりやすくなります。奥歯に負担がかかると、奥歯が擦り減る、破損するなど、トラブルにつながるかもしれません。
噛み合わせが悪いと顎関節に負担がかかり、頭痛や肩こりなどを引き起こす可能性もあります。
マウスピース矯正での八重歯の治療法
八重歯になる主な原因は、歯を並べるスペースが足りないことです。そのため、歯を並べるスペースを確保し、八重歯を移動させて治療します。
歯を並べるスペースを確保する方法は、以下のとおりです。
臼歯を後方に引っ込める
八重歯よりも後ろに生えている臼歯を後方に引っ込めることで、八重歯の後ろにスペースを確保します。
ただし、歯の移動が可能なのは顎の骨があるところまでです。引っ込められる距離には限度があります。
臼歯を後方に引っ込めるだけでは八重歯を矯正できない場合は、マウスピース矯正に加えて歯を削る処置が必要になることもあるでしょう。
歯列全体を横方向に広げる
歯列全体を横方向に広げることで、歯と歯の間にすき間が生まれます。
ただし、広げられる幅には限度があります。もともとの顎のアーチ(幅)が狭い場合、マウスピース矯正だけでは治療が難しいでしょう。
マウスピース矯正以外に、拡大床などの矯正装置が必要になることもあります。
歯の側面を削る(ディスキング)
八重歯を並べるスペースがわずかに足りない場合は、歯の側面を微量に削るディスキング(IPR)とよばれる処置を行います。歯と歯の間を削ることで歯を並べるスペースを確保するのです。
歯を削ると聞くとネガティブなイメージを持つかもしれませんが、最大でも0.25mmしか削りません。歯の表層のエナメル質は2~3mm程度の厚みがあるため、基本的には問題ないでしょう。
しかし、健康な歯を削ることに変わりはありません。歯を削る処置が必要かどうかは、事前に確認するとよいでしょう。
抜歯する
歯の重なりが大きい場合や、八重歯のずれが大きい重度の八重歯の場合、上記の方法では十分なスペースを確保できません。抜歯して歯を並べるスペースを確保することになるでしょう。
抜歯するのは八重歯ではなく、小臼歯(前から4、5番目の歯)です。
抜歯すると効率的にマウスピース矯正を進められますが、健康な歯を抜く必要があります。歯科医師と十分に相談し、治療法を検討しましょう。
マウスピース矯正で治療できない八重歯の症例
マウスピース矯正は、すべての八重歯を治療することはできません。マウスピース矯正で治療できない八重歯の症例は、以下のとおりです。
重度の八重歯である
マウスピース矯正は、マウスピースを交換しながら少しずつ歯を移動させる治療法です。そのため、歯の移動距離が長い症例には適さないといわれています。
歯を大きく引っ込める必要がある症例や、歯列から八重歯が大きくずれている症例は、マウスピース矯正では治療できないことがあるでしょう。マウスピース矯正では治療できませんが、ワイヤー矯正では治療可能な場合が多いです。
過蓋咬合を併発している
過蓋咬合(かがいこうごう)とは、上下の噛み合わせが深すぎる状態を指します。奥歯を噛み合わせたときに、下の歯が上の歯に覆われて見えない噛み合わせのことです。
八重歯以外に、過蓋咬合などほかの不正咬合を併発している場合は、マウスピース矯正では治療できません。八重歯だけ、過蓋咬合だけの場合はマウスピース矯正で治療できますが、併発している症例はマウスピース矯正では対応できず、ワイヤー矯正で治療するのが一般的です。
骨格に問題がある
骨格に問題があることで歯並びが悪く八重歯になっている場合、マウスピース矯正やワイヤー矯正で歯並びを整えても根本的な問題は解決されません。顎の骨の大きさや位置を改善する必要があるので、外科処置が必要になるでしょう。
マウスピース矯正での八重歯治療にかかる期間
マウスピース矯正での八重歯治療にかかる期間には、個人差があります。目安は、部分矯正の場合3か月~1年程度、全体矯正の場合は1~3年程度です。
マウスピース矯正の治療期間は、矯正範囲や動かす歯の本数によって異なります。軽度の八重歯は部分矯正で治療可能で、早ければ3か月程度で治療が終わるでしょう。
噛み合わせに問題がある場合や、歯の重なりが大きい場合は、全体的な歯並びや噛み合わせを矯正する必要があります。全体矯正を行うため、治療期間が長くなるでしょう。
マウスピース矯正は、マウスピースの装着時間が治療の進行度を左右します。マウスピースの装着時間が短い場合は、目安の期間よりも長引くかもしれません。
マウスピース矯正をうまく進めるためには、患者様自身の努力が必要不可欠といえます。
マウスピース矯正での八重歯治療にかかる費用
マウスピース矯正での八重歯治療にかかる費用は、治療する範囲によって異なります。目安は、部分矯正の場合100,000~500,000円程度、全体矯正の場合は600,000~1,000,000円程度です。
軽度の八重歯は部分矯正で治療可能なため、全体矯正の半分程度の費用で治療できるでしょう。
ただし、マウスピース矯正は保険適応外の治療なので、歯科医院ごとに費用が異なります。ご紹介した費用は、あくまでも目安として参考にしてください。
また、部分矯正・全体矯正どちらを適応するかは、歯科医院が判断します。マウスピース矯正で八重歯を治療したいと考えている方は、まずは歯科医院を受診しましょう。
まとめ
マウスピース矯正でも八重歯の治療は可能です。歯並びや顎の状態によっては、治療できないこともあるでしょう。
歯を後方に引っ込める、歯列全体を横方向に広げるなど、歯を並べるスペースを確保することで、マウスピース矯正で八重歯を治療します。歯を削る処置や抜歯が必要になる症例もあるでしょう。
マウスピース矯正での八重歯の治療にかかる期間や費用は、歯並びの状態によって異なります。部分矯正を選ぶことで費用や期間を抑えられますが、部分矯正で治療できるかどうかは口内の状態によって異なるため、歯科医師に判断してもらう必要があるでしょう。
マウスピース矯正での八重歯の治療を検討されている方は、渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。