こんにちは。渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」です。
インビザラインで歯列矯正をする際に、歯を削る処置を行う場合があります。歯を削ると聞くと不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、インビザライン治療において削る歯の量はごくわずかであり、虫歯治療のように歯を大きく削るものではありません。
今回は、インビザラインで歯を削る目的やメリット・デメリットについて解説します。インビザラインで歯を動かす仕組みも解説しますので、インビザラインを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インビザライン治療で歯を動かす仕組み
インビザライン治療は、透明のマウスピース型の矯正装置を使用するため、従来のワイヤー矯正とは違い目立ちにくいです。
インビザライン治療では、主に以下の3つの仕組みで歯を動かします。
- オーダーメイドのマウスピース作製
- マウスピースの交換
- 補助装置の使用
それぞれ詳しく解説します。
オーダーメイドのマウスピース作製
インビザラインは、スキャナーで歯並びや歯型の情報を収集・分析して歯並びが整うまでの治療計画を行い、収集・分析したデータをもとにオーダーメイドのマウスピースを作製します。
作製されるマウスピースは元の歯並びとは少しずれるように設計され、少しずれたマウスピースを装着することでずれの方向に力が加わり、歯が動くのです。
マウスピースの交換
インビザラインでは、治療計画に基づいたマウスピースを40〜50個ほど作製します。1枚のマウスピースで動かせる歯の距離は0.25mm程度です。1枚1枚わずかに形の異なるマウスピースを1~2週間ごとに交換することで、少しずつ歯を動かすのです。
補助装置の使用
インビザライン治療では、歯を効率的に動かすために補助装置を使用することがあります。補助装置には「アタッチメント」や「顎間ゴム」があります。
アタッチメントの役割
アタッチメントは、歯に接着する突起状の器具です。
アタッチメントを接着することでマウスピースがしっかりと歯に固定され、外れにくくなります。歯の方向や角度を微調整する役割もあるため、理想の歯並びに近づけるために必要な装置といえるでしょう。治療後は跡が残らないように取り外せます。
顎間ゴムの役割
顎間ゴムは、上下の歯にゴムをかけて噛み合わせをよくする装置です。
出っ歯や受け口、左右の歯並びのずれを改善させる役割があります。インビザライン治療の最後に噛み合わせを整える目的で使用されることが多いです。
インビザライン治療では歯を削る?
インビザライン治療では歯を削る処置を行うことがあります。
インビザライン治療で歯を削る処置を行う目的は、以下の4つです。
- 歯を動かすスペースを確保する
- 歯のバランスを整える
- 出っ歯を改善する
- ブラックトライアングルを改善する
それぞれ詳しく解説します。
歯を動かすスペースを確保する
歯並びが悪くなる原因は、顎の大きさに対して歯が生えるスペースが足りていないことがほとんどです。歯並びを整えるには歯を動かすスペースを確保する必要があります。
歯列矯正では、一般的に前から4番目か5番目の歯を抜歯することで歯を動かすスペースを確保しますが、抜歯してもさらにスペースが必要な場合に歯を削る処置が行われるのです。
歯のバランスを整える
インビザラインでは、歯の大きさや形を整えるために歯を削る処置を行うことがあります。
前歯が大きくバランスが悪い場合や、歯が左右非対称の場合など、歯並びを整えただけでは仕上がりが不十分な場合もあるのです。歯を削る処置を行うことにより全体のバランスが整い、より美しい歯並びに近づきます。
出っ歯を改善する
出っ歯の場合、奥歯と前歯を後方に動かす必要があります。
抜歯をせずにインビザライン治療を行うと、前歯を動かすスペースが確保できません。歯を削る処置を行い、歯と歯の間にすき間を作ることで、奥歯と前歯を後方に動かすことができるのです。
ブラックトライアングルを改善する
ブラックトライアングルとは、歯と歯の間の根元付近に逆三角形のすき間が生じることです。もともとの歯の形や、歯茎が下がってしまったことが原因で起こります。
歯を削る処置を行うことでブラックトライアングルが生じている歯を削って形を整え、インビザラインですき間を埋めることができるでしょう。
インビザライン治療で歯を削るメリット
インビザライン治療で歯を削るメリットは、以下の4つです。
- きれいに歯が並ぶ
- バランスのよい歯並びになる
- 抜歯を避けられる
- 歯の後戻りが起きにくい
それぞれ詳しく解説します。
きれいに歯が並ぶ
歯を削ることで歯を動かすスペースを確保できるため、顎のスペースに歯をきれいに並べることができます。歯を削る処置を行わないままでもインビザラインで歯並びは整いますが、前歯が最初の位置よりも前に出てしまうことが多いため、歯を削る処置が必要なのです。
バランスのよい歯並びになる
歯を削る処置は歯を動かすスペースを確保するためだけに行われるわけではありません。スペースが不足していない場合でも、歯の形や大きさを整えるために行われることもあるのです。
上下左右の歯の大きさのバランスを整えることで歯並びの仕上がりがよりよくなるでしょう。ブラックトライアングルの改善も可能です。
抜歯を避けられる
インビザライン治療で健康な歯を抜歯することに抵抗を感じる方は少なくありません。
しかし、歯を削る処置を行うことで、抜歯を行わずに歯を動かすスペースを確保できるのです。抜歯をせずに歯を動かすスペースを確保できれば、健康な歯を残すことができます。
歯の後戻りが起きにくい
歯と歯は接触し合うことで互いの歯の位置を安定させています。歯を削る処置を行った歯と歯はすき間なく面同士でしっかりと支え合うことがでるため、インビザライン治療によって整った歯並びが元に戻ろうとする後戻りが起きにくいのです。
インビザライン治療で歯を削るデメリット
インビザライン治療で歯を削るデメリットは、以下の3つです。
- 健康な歯を削る必要がある
- 確保できるスペースに限界がある
- 処置中に痛みが出ることや歯茎から出血することがある
それぞれ詳しく解説します。
健康な歯を削る必要がある
健康な歯を削るというデメリットは避けられません。健康な歯を削ることで、知覚過敏の症状が出るのではないかと心配になる方もいるでしょう。
しかし、歯の表面を覆っているエナメル質のごくわずかな量を削るため、歯へのダメージはほとんどありません。知覚過敏でしみや痛みを感じるのはエナメル質の内側にある象牙質の部分のため、エナメル質を少し削っただけでは知覚過敏の症状は現れないでしょう。
エナメル質は1.5~2㎜ほどの厚みがあり、そのうちの0.2㎜程度を削ります。削った歯が虫歯にならない限り、歯の寿命が縮むこともないでしょう。
確保できるスペースに限界がある
削ることができる歯の量はごくわずかです。そのため歯並びや顎の大きさによっては、歯を削る処置だけでは歯を動かすスペースを確保できない場合があります。歯を削る処置だけで歯を動かすスペースを確保できない場合は抜歯を検討する必要があるのです。
処置中に痛みが出ることや歯茎から出血することがある
虫歯治療で歯を削る場合は痛みを伴うことがありますが、インビザライン治療における歯を削る処置は基本的に痛みを伴いません。そのため、麻酔をせずに処置を行います。
人によっては削るときの振動で不快感を抱くことがあるでしょう。歯肉の近くまで器具を入れるため、歯茎の状態によっては一時的に出血することもあります。
しかし、処置が終われば違和感や不快感はなくなるでしょう。
歯の削り方
歯を削る処置は、細い紙のようなヤスリや専用の切削器具を使用して歯と歯の間を少しずつ削ります。歯と歯の間のすき間の幅に合ったサイズのヤスリや器具を使用して歯を削るのです。歯の表面のエナメル質をごくわずかに削るため痛みはなく、麻酔も必要ありません。
まとめ
今回は、インビザラインで歯を削る目的やメリット・デメリットについて解説しました。
インビザライン治療では、歯を動かすスペースを確保するために歯を削る処置を行う場合があります。歯を削ると聞くと不安に感じる方も多いでしょう。
しかし、インビザライン治療における歯を削る処置は、治療の効果を高めるメリットが多くあります。歯を削るといっても歯の表面のエナメル質をごくわずかに削るため、歯に影響を及ぼすことはほとんどありません。
歯を削る処置を行うことで歯を動かすスペースを確保できれば、抜歯をせずにインビザライン治療ができるのです。健康な歯を削ることに不安や疑問がある場合は、歯科医師に相談しましょう。
インビザラインを検討されている方は、渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。