こんにちは。渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」です。
「インビザライン矯正で、歯ぎしり・食いしばりを治したい」と考えていらっしゃる方は少なくありません。インビザラインは、世界中で採用されているマウスピースのブランドで、日本でも多くの歯科医院が取り扱っています。
しかし、歯ぎしり・食いしばり癖のある方がインビザラインで治療することは、リスクも伴います。場合によっては、治療できないことも珍しくありません。
今回は、歯ぎしり・食いしばりの原因やインビザラインに与える影響についてご紹介します。インビザラインを検討している方や、歯ぎしり・食いしばり癖のある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
歯ぎしり・食いしばりとは?
歯ぎしりとは、無意識、もしくは睡眠中に歯と歯を擦り合わせることです。歯ぎしりは、ブラキシズムともよばれ、タッピング(上下の歯を横にすり合わせて歯ぎしりする)とグラ歯ぎしり・食いしばりインディング(上下の歯をカチカチと噛み合わせて歯ぎしりする)の2つのタイプがあります。
一方、食いしばりは、上下の歯を強く噛み合わせることで、クレンチングともよばれています。睡眠時に食いしばっている方が多く、かなりの負荷がかかっているのです。
歯ぎしり・食いしばりは、無意識で行っている確率が高いため、歯科医師やご家族に指摘されてはじめて気づくことも珍しくありません。
歯ぎしり・食いしばりの原因
歯ぎしり・食いしばりは、さまざまな原因が関係しています。歯ぎしり・食いしばりの主な原因は、以下のとおりです。
- 眠りが浅い
- 歯並びか噛み合わせが悪い
- ストレスを抱えている
- 集中している
- スポーツや力仕事でパワーが必要である
スポーツや力仕事でパワーが必要なときに、意識して食いしばることがあります。
しかし、ほとんどの場合は、ストレスを抱えているときや集中しているときに無意識に食いしばっています。また、歯並びや噛み合わせが悪く、上下の歯が均等にあたらない場合、一点に力が集中し食いしばることも少なくありません。
原因を取り除いたら改善することもあるため、まずはご自身が「なぜ歯ぎしり・食いしばりの症状を起こしているのか」を知ることが大切です。
歯ぎしり・食いしばりが歯に与える影響
歯ぎしり・食いしばりは、肩こりや頭痛の原因になりますが、歯や顎にも大きな影響を与えます。歯ぎしり・食いしばりが歯に与える具体的な影響は、以下のとおりです。
顎関節症になる
歯ぎしり・食いしばりが長期に続くと、顎に負担がかかり顎関節症になるリスクが高まります。特に、食いしばりが顎にかかる負荷は大きく、日中の食いしばりで60~70kg、睡眠時のくいしばりで日中の2倍以上の負荷がかかります。
場合によっては、ご自身の体重以上の負荷が顎にかかっていることもあるのです。顎関節症になると、口が開かなくなったり、顎に痛みが生じておいしいものが自由に食べられなくなったりすることも少なくありません。
歯に悪影響を与える
歯ぎしり・食いしばりが歯に与える悪影響は、以下のとおりです。
- 歯がすり減る
- 被せ物が取れる
- 知覚過敏になる
- 歯周病になる
歯ぎしり・食いしばりがあると、歯がすり減って噛み合わせの部分が平らになったり、歯と歯茎の境目の部分が欠けたりすることがあります。
歯と歯茎の境目が下がってくることを「楔状欠損(くさびじょうけっそん)」とよびます。力がかかることで、歯茎が下がったり歯槽骨が吸収されたりすることも珍しくありません。楔状欠損や歯茎が下がることで知覚過敏になりやすく、冷たいものや甘いものを食べると痛みを感じるようになります。また、歯周病の原因にもなるのです。
歯ぎしり・食いしばり癖があるとインビザラインはできない?
歯ぎしり・食いしばり癖のある方が、インビザラインによる治療ができるかどうかについては、状況によって異なります。
例えば、インビザラインができない場合はワイヤー矯正をすすめられることがあります。歯ぎしり・食いしばりの症状が一時的か長時間かによっても対応が異なるでしょう。意識して食いしばりをしている場合や一時的なものである場合は、インビザラインが可能なことも少なくありません。
しかし、長時間もしくは無意識に歯ぎしり・食いしばりをしている方は、インビザラインができず、ワイヤー矯正になることもあります。インビザライン矯正が可能かについては、歯科医師の意見を聞き、しっかり話し合って決める必要があるでしょう。
歯ぎしり・食いしばり癖がインビザラインに与える影響
歯ぎしり・食いしばり癖を無視してインビザライン治療すると、治療中にインビザラインが破損するリスクが大きくなります。
インビザラインは、矯正治療のために作られているマウスピースで、とても薄く0.5mmほどの厚さです。そのため、強い力がかかると破損します。破損すると、割れたマウスピースが口腔内を傷つけて怪我をする危険があります。また、治療が大幅に遅れる可能性もあるでしょう。
歯ぎしり・食いしばりでインビザラインが割れてしまったら
歯ぎしり・食いしばりでインビザラインが割れてしまうこともあるでしょう。
万が一、インビザラインが割れたときは、歯科医院で補修するか、注文し直すのが一般的です。インビザラインの損傷が軽い場合は、歯科医院で補修し、そのまま使用し続けることも少なくありません。インビザラインは毎日装着することで効果がでるため、修理して使い続けられるほうがよいでしょう。
しかし、修理した部分は弱く、歯ぎしり・食いしばりによって力がかかると耐えられない可能性が高くなります。一度割れると、同じ場所が何度も割れるリスクも否定できません。あまりにも破損がひどい場合は、注文して作り直す必要があります。
インビザラインを作り直す場合、アメリカの会社に発注をかけるため、矯正治療が一旦ストップします。そのため、治療が予定より遅れる可能性があるでしょう。
歯ぎしり・食いしばり癖を治す方法
歯ぎしり・食いしばり癖があると、歯や顎、身体に影響を与え、インビザライン治療ができないことがあります。歯並びや噛み合わせが原因で歯ぎしり・食いしばりをしている場合は、歯科医師の判断により処置が異なります。
例えば、ワイヤー矯正をしながら経過を見ることがあるでしょう。ほかにも癖を治すためにできる対策を、以下にまとめました。
ナイトガードを使用する
ナイトガードを使用して、歯ぎしり・食いしばりによる歯や顎の負担をなくすことができます。
ナイトガードは、寝るときに装着するマウスピースです。インビザラインと違って、厚くて丈夫なため、歯ぎしり・食いしばりの力に耐えられます。患者さまがナイトガードを装着することで、本来の噛み合わせになるように歯科医師が調整できるのです。顎の位置と噛み合わせを微妙に調整することで、歯ぎしり・食いしばりが治まる可能性も少なくありません。
日常生活で意識する
日常生活で、歯ぎしり・食いしばりをしていないか意識することも大切です。
しかし、多くの場合、無意識に行っていることが多いため「気がついたときに治す」程度のほうがよいでしょう。ご家族や親しいご友人に協力してもらい、歯ぎしりの音が聞こえたら教えてもらうように頼むことも効果的です。
マッサージする
顎の周辺を指で優しく円を描くようにマッサージすることも効果的です。歯ぎしり・食いしばりが影響して、顎の筋肉が硬直している可能性があるからです。
顎の筋肉をほぐすことで、顎が本来あるべき位置に戻りやすくなります。顎に痛みがある場合は特に痛みが軽減される可能性があるでしょう。マッサージする際は、力を入れないように意識することが大切です。歯科医院で、正しい顎のマッサージ方法についてトレーニングしてもらい、実施してください。
まとめ
歯ぎしり・食いしばりを治療するために、インビザラインによる矯正治療をしたいと希望する方は少なくありません。
しかし、インビザラインは非常に薄い装置で、力が入ると破損しやすいため、歯ぎしり・食いしばり癖があるとインビザラインを使用できない可能性があります。歯ぎしり・食いしばりの状態や原因を考慮し、矯正治療の方針を決定する必要があるでしょう。場合によっては、歯ぎしり・食いしばり対策のためにナイトガードを使用して様子をみることもあります。一度歯科医師に相談し、話し合って最善の方法を探しましょう。
インビザラインを検討されている方は、渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。