こんにちは。渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」です。
マウスピース矯正の治療期間は、一般的に1〜2年程度といわれています。
しかし、治療期間は症例によって大きく異なり、軽度の場合は数か月で終了することがあります。
今回は、マウスピース矯正の治療期間を歯並び別にご紹介します。あわせて、治療を計画どおりに進めるポイントについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
歯科矯正に長い時間がかかる理由
矯正時間に長い時間がかかる理由は、以下の2つが挙げられます。
- 骨の代謝に合わせる必要がある
- 保定期間がある
以下で詳しく解説します。
骨の代謝に合わせる必要がある
矯正治療は、歯に適度な力をかけることで歯を動かしていきますが、骨の代謝速度に合わせなければなりません。
骨の代謝は1か月に1mm程度と非常に遅いため、歯の移動速度が限られます。骨の代謝を無視して無理に歯を動かそうとすると、歯周組織や歯根を損傷する可能性があります。最悪の場合、歯が抜け落ちてしまうこともあるでしょう。
歯の移動は骨の代謝速度に合わせて行わなければならないため、矯正治療には時間がかかるのです。
保定期間がある
歯科矯正は、歯を動かして終わりではありません。矯正治療が完了したあとも、歯がもとの位置に戻ろうとする力が働くため、保定期間が必要です。
保定期間中は、リテーナー(保定装置)を使用して、動かした歯の位置を維持します。保定は、矯正治療の効果を維持し、再び歯並びが悪くなるのを防ぐために重要です。
保定期間は矯正の状況によって異なりますが、一般的に1〜3年です。
【歯並び別】マウスピース矯正の治療期間
マウスピース矯正の治療期間は、歯並びによって異なります。
また、症状の程度も治療期間に影響を与えます。症状が軽度なら数か月で治療が完了する可能性がありますが、重度の症例の場合は数年かかることもあるでしょう。治療期間は人によって大きく異なるので、気になる方は歯科医師に相談してください。
以下、治療期間の目安をご紹介します。
<歯並び別 マウスピース矯正の治療期間>
症例 | 治療期間 |
---|---|
すきっ歯 | 6か月〜1年半 |
出っ歯 | 7か月〜2年 |
受け口 | 5か月〜3年 |
叢生(八重歯を含む) | 2か月〜3年 |
開咬 | 2〜2年半 |
マウスピース矯正は、歯の傾きや、軽度から中度の回転を得意としていますが、前や後ろなど歯を平行に動かす動きは苦手です。そのため、歯の移動量が比較的少ないすきっ歯や叢生は、ほかの症例に比べると治療期間が短くなる傾向にあります。
逆に、歯を大きく動かす必要のある、出っ歯や受け口、開咬などは、治療期間が長くなりやすいです。
ただし、すきっ歯でも重度の場合は治療期間が長くなることもあり、反対に軽度の出っ歯なら短い治療期間で済む可能性もあります。歯並びだけでなく、重症度も治療期間に影響を与えるのです。
マウスピース矯正後の保定期間
マウスピース矯正後の保定期間は、1〜3年ほどが一般的です。
保定とは、矯正治療で改善された歯並びや噛み合わせの状態を維持し、歯がもとの位置に戻ることを防ぐ処置です。矯正治療が完了したあとも、歯は徐々にもとの位置に戻ろうとするため、保定期間は非常に重要といえるでしょう。
保定には、リテーナーという装置を用います。リテーナーには、マウスピースのような形状で自分で取り外しや装着ができるタイプと固定式のタイプがあります。
保定期間は1〜3年程度です。年齢や歯並びの状態によって差が出るので、気になる方は歯科医師に相談しましょう。
最初の数か月は、ほぼ24時間リテーナーを着用することが求められ、徐々に着用時間を減らしていきます。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の治療期間を比較
マウスピース矯正の治療期間は、一般的に1〜2年程度です。
ただし、症状が軽度から中度の歯並びに対しては、より短期間で矯正できる可能性があり、重度の場合は治療期間が延びることもあります。
ワイヤー矯正の治療期間は、一般的に1年半〜3年程度かかることが多いです。
<マウスピース矯正とワイヤー矯正の治療期間>
矯正方法 | 治療期間 |
---|---|
マウスピース矯正 | 1〜2年程度 |
ワイヤー矯正 | 1年半〜3年程度 |
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比較して、治療期間が短い傾向があります。これは、マウスピース矯正が主に軽度から中度の歯並びに対して用いられることが関係しています。マウスピース矯正は、重度の症例には適用されないのです。
ワイヤー矯正は、マウスピース矯正では改善できないような歯並びでも適用できることが多いです。結果的に重度の症例を治療することになり、治療期間が長くなるのです。
マウスピース矯正を計画どおりに進めるためのポイント
マウスピース矯正を計画どおりに進めるためには、以下のポイントに注意しましょう。
チューイーを使用する
チューイーとは、柔らかいシリコン製、またはゴム製の管状の道具です。
マウスピース矯正では、マウスピースをきちんと歯にフィットさせて装着することが非常に重要です。特に、マウスピースを交換した直後は、歯列が新しいマウスピースに馴染んでいないため、手指だけで装着すると浮くことがあります。マウスピースが浮いていると歯に十分な力がかからないため、計画どおりに歯が動かない可能性があります。
チューイーを一定時間噛むと、歯にマウスピースをしっかりと密着させることができるので、使用しましょう。
マウスピースの装着時間を守る
マウスピース矯正は、治療を効果的に行うために、1日に20〜22時間以上の装着が推奨されています。基本的に、食事と歯磨きのとき以外は、マウスピースを装着する必要があるでしょう。
治療前のシミュレーションは、マウスピースを1日20〜22時間以上つけることを想定して行っているため、装着時間が短いと計画どおりに歯が動きません。矯正治療の効果を最大限に発揮するためには、指示された装着時間を厳守しましょう。
指示どおりにマウスピースを交換する
マウスピースは、通常1〜2週間ごとに新しいものに交換します。交換のたびに歯科医院に足を運ぶことは難しいため、マウスピースの交換は基本的に自分で行います。
治療期間を短くしたいなどの理由から、マウスピースの交換の時期を早めることは、計画どおりに歯が動かなくなる原因です。事前に矯正治療のシミュレーションを行ったうえで交換時期を決めているため、マウスピースは指示に従って交換しましょう。
食後は歯磨きをする
マウスピース矯正をしている間は、食後に必ず歯を磨きましょう。
唾液には口の中を洗浄したり、歯を虫歯から守ったりする重要な役割があります。
しかし、マウスピースを装着している間は、マウスピースに覆われ、歯が唾液に触れにくくなります。マウスピース矯正中は、唾液の作用を十分に受けることができなくなるため、口の中に食べかすや汚れを残さないことが重要です。
食べかすが歯に付着したままマウスピースをつけてしまうと、唾液による自浄作用が期待できず、歯とマウスピースの間で細菌が増殖しやすくなります。マウスピース矯正の途中で虫歯や歯周病になった場合、治療を優先させなければなりません。矯正が中断してしまうので、治療期間が延びることになります。虫歯や歯周病にならないよう、食後は必ず歯磨きをし、特に就寝前は歯間ブラシやデンタルフロスも使って入念に磨きましょう。
適切にマウスピースのお手入れをする
マウスピースを外したときは、必ず流水できれいに洗いましょう。
洗わずに放置すると、細菌が繁殖しにおいのもとになるだけでなく、そのまま装着することによって虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
計画どおりにマウスピース矯正を進めるためには、食後は歯を磨き、マウスピースを洗浄してから装着してください。マウスピースは、歯ブラシを使うと細かい部分まで汚れを落とすことができます。
ただし、歯磨き粉は使用しないでください。歯磨き粉には研磨剤が含まれていることが多く、マウスピースを傷つける可能性があるためです。
定期的に通院する
マウスピース矯正は、自分でマウスピースの交換を行うため、ワイヤー矯正よりも通院の頻度が低いです。一般的に2〜3か月に1回の頻度で通院することになるでしょう。
定期的な通院は、歯が計画どおりに動いているか、口の中に問題が発生していないかを確認する大事な機会です。万が一、治療計画のずれや異常が生じていた場合でも、定期的に通院していれば早期に対処できます。
通院を怠っていると、問題が起きている場合にすぐに対処できず、結果的に治療期間が延びてしまう可能性があります。治療を計画どおりに進めるためには、必ず指示された期間に受診しましょう。
まとめ
マウスピース矯正の治療期間は1〜2年程度です。
ただし、症例や重症度によって大きく異なる場合があります。
歯科矯正は、矯正期間に加えて、動かした歯を安定させる保定期間も必要なため、時間のかかる治療です。治療期間を延ばさないためには、装着時間などの指示に従うことが大切です。
マウスピース矯正は事前にシミュレーションで結果を予測できるため、矯正のモチベーションにもつながるでしょう。また、矯正していることが目立たない見た目や、いつもどおりに食事や歯磨きができるといったメリットもあります。理想の歯並びを最短で手に入れるために、日頃から歯磨きやマウスピースのお手入れを適切に行いましょう。
マウスピース矯正を検討されている方は、渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。