マウスピース矯正で前歯のみの治療は可能?適応症例や期間を解説!

黒い机に置かれたマウスピースと専用のケース

こんにちは。渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」です。

「マウスピース矯正で前歯だけ治療したい」「マウスピースで部分矯正はできる?」など、矯正治療を検討する際に前歯だけの治療を希望する方は少なくありません。マウスピース矯正は、全体矯正だけでなく前歯だけの部分矯正も可能です。

今回は、マウスピース矯正で前歯だけを治療できる症例やメリット・デメリット、治療にかかる期間などを解説します。費用などもご紹介するので、前歯のみのマウスピース矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。

マウスピース矯正で前歯のみの治療は可能?

顎に手を当てて考える女性

マウスピース矯正は、全体矯正だけでなく、前歯だけの矯正治療も可能です。

従来のワイヤー矯正でも前歯のみの治療は可能ですが、矯正装置が目立つことが気になるという方も多いです。

マウスピース矯正は透明な矯正装置を使用するため、周囲に矯正治療中であることを気付かれずに歯並びを矯正できます。上の前歯だけ、下の前歯だけなど、気になる部分のみの治療が可能なので、全体矯正と比べて治療期間が比較的短く、費用を抑えて治療ができるメリットもあります。

ただし、すべての症例に適応できるわけではありません。適応できるかどうか判断するには、歯科医師による診察と、全体の噛み合わせの状態などを把握する詳しい検査が必要です。

マウスピース矯正で前歯のみを治療できる症例

マウスピースを装着する女性

マウスピース矯正で前歯のみの治療を希望しても、すべての症例が治療できるわけではありません。治療できる症例は、以下のとおりです。

  • 前歯が少し出ている(出っ歯)
  • 前歯の歯並びが少しガタガタしている(叢生)
  • 前歯にすき間がある(すきっ歯)
  • 前歯がねじれている

マウスピースで前歯のみの矯正を希望される方は、まずはマウスピース矯正を取り扱っている歯科医院でカウンセリングを受けましょう。お口の状態を歯科医師に診てもらい、前歯のみの治療が可能かどうかを判断してもらってください。

マウスピース矯正で前歯のみを治療できない症例

体の前でバツを作る女性

部分矯正が可能かどうかは、歯科医師による診察やレントゲンでの画像診断、スキャナーを使用したシミュレーションの結果によって判断します。マウスピース矯正で前歯のみを治療できない症例は、以下のとおりです。

  • 奥歯の噛み合わせに問題がある
  • 抜歯が必要になる
  • 受け口や出っ歯が重度である
  • インプラントが入っている
  • 歯周病が重度である
  • 1日20時間以上マウスピースを装着できない

治療ができない症例を詳しく解説します。

奥歯の噛み合わせに問題がある

前歯だけでなく、奥歯の噛み合わせの改善も必要となるケースは、前歯のみのマウスピース矯正では治療できません。奥歯がしっかりと噛み合っていない状態で前歯のみ部分矯正を行うと、噛み合わせのバランスが崩れ、全身にも影響を及ぼす可能性があります。

奥歯は外から見えないため、「前歯の歯並びだけきれいにできればいい」と思う方もいるかもしれませんが、長期的に考えると、噛み合わせの改善は非常に重要です。奥歯の噛み合わせに問題がある方は、見た目の改善だけに捉われず、全体矯正で治療を行いましょう。歯や全身の健康を保つことに繋がります。

抜歯が必要になる

歯並びを矯正するために、抜歯が必要になるケースがあります。抜歯をすると大きなスペースが生まれるので、歯の移動距離が増えるでしょう。マウスピース矯正は大きな歯の移動には対応できないため、ワイヤー矯正との併用やワイヤー矯正のみでの治療を行います。

歯並びや歯の状態によって治療方法が異なるため、歯科医師の診察・カウンセリングを受けて、抜歯が必要かどうか確認しましょう。

受け口や出っ歯が重度である

上の歯より下の歯が前に出ている受け口は、歯並びだけでなく、顎の骨格に問題があるケースが多いです。骨格に問題があるケースでは、矯正治療のみで改善することは困難です。下顎の骨を切って後方にスライドさせる、骨格を改善する手術が必要になります。

重度の出っ歯で大きな歯の乱れがある場合も、マウスピースの部分矯正では治療できません。前歯のみの移動では、歯並びの改善が難しいためです。前歯をきれいに並べるスペースを確保するために、全体矯正が必要になります。

重度の出っ歯は、骨格に問題があるケースもあります。矯正治療だけでは対応できないため、抜歯や顎の骨を切って正しい位置に固定する手術などの治療が必要です。

インプラントが入っている

インプラントが入っている場合、前歯のみのマウスピース矯正では治療できない場合があります。インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込みます。

インプラントの歯には天然歯にある歯根膜が存在しません。歯根膜は、噛むときの力を逃がし、歯や骨を守るクッションのような役割をする組織です。矯正治療においては、歯を動かす際に重要な役割を果たします。

インプラントの歯には歯根膜がないため、天然歯のように動かすことができないのです。特に、矯正したい前歯にインプラントが入っている場合は、マウスピース矯正では対応できません。

インプラントが入っている場所や本数によって、前歯のみの矯正治療ができるかどうかが変わります。矯正治療を受けるときは、インプラントが入っていることを歯科医師に伝え、可能な治療法を相談しましょう。

歯周病が重度である

重度の歯周病がある場合は、矯正治療ができません。歯周病は、歯周ポケットに細菌が溜まって引き起こされる炎症性の疾患です。細菌が出した毒素によって、歯の土台となる歯槽骨や歯の周りの組織が破壊されます。

マウスピース矯正は、マウスピースを装着して歯に少しずつ力をかけて、歯を移動させる治療です。不安定な状態の歯に力を加えると、抜け落ちる可能性があります。歯周病は、しっかりと治療を行うことで改善が可能です。まずは治療を行い、症状が改善してから矯正治療を行いましょう。

1日20時間以上マウスピースを装着できない

マウスピース矯正は、マウスピースを装着して継続的に歯に力を加え、少しずつ歯を動かす治療です。マウスピースを外している時間が長いと歯に力が加わらないため、治療効果が得られません。マウスピースは、基本的に1日20〜22時間以上装着する必要があります。

装着時間を守らないと起きるトラブルは、以下のとおりです。

  • 動いた歯がもとの位置に戻る
  • マウスピースが合わなくなる
  • 治療が長引く

トラブルを避け、効果的に矯正治療を行うために、食事と歯磨きの際以外は常にマウスピースを装着しましょう。20〜22時間以上と聞くと不安に思う方もいるもしれませんが、すぐに慣れる方が多いです。

マウスピース矯正で前歯のみを治療するメリット・デメリット

Merit &Demeritと書かれたノート

マウスピース矯正には、メリット・デメリットがあります。納得して治療を受けられるように、歯科医師からしっかりと説明を受けましょう。

マウスピース矯正で前歯のみを矯正するメリット

前歯だけをマウスピースで矯正するメリットは、以下のとおりです。

  • 目立ちにくい
  • 費用を抑えて治療できる
  • 治療期間が比較的短い

それぞれ解説します。

目立ちにくい

従来のワイヤー矯正は、装置が銀色なので目立ちます。目立ちにくい白いワイヤーや透明のブラケットを使用するワイヤー矯正もありますが、マウスピース矯正と比較すると目立つでしょう。

マウスピース矯正は、薄く透明な矯正装置を使用するため、周囲に気づかれずに矯正治療を受けられます。矯正治療中でも、口元を気にせずに笑顔になれるのは大きなメリットです。

費用を抑えて治療できる

前歯だけのマウスピース矯正は、全体矯正よりも費用を抑えて治療できます。使用するマウスピースの枚数で費用が設定されている場合も多く、軽度の前歯の乱れであれば費用を大幅に抑えられるでしょう。

費用は、歯科医院によって異なります。装置や費用を比較して、希望や予算に合った治療が可能な歯科医院を探しましょう。

治療期間が比較的短い

マウスピース矯正で前歯だけを治療する場合、動かす歯が少ないため、全体矯正と比較して治療期間が短いです。全体矯正では1〜3年ほど治療期間が必要ですが、前歯だけの部分矯正では2か月〜1年6か月ほどで治療を終えることができます。

ただし、お口の状態や治療方針、治療計画によって、治療期間は変動します。実際の治療期間は、歯科医師に確認しましょう。

マウスピース矯正で前歯のみを治療するデメリット

マウスピース矯正で前歯のみを矯正するデメリットは、以下のとおりです。

  • 理想の仕上がりにならない場合がある
  • 歯を削る場合がある
  • 噛み合わせの治療はできない

それぞれ解説します。

理想の仕上がりにならない場合がある

前歯だけのマウスピース矯正は、一部の歯だけを動かす治療です。最終的に全体のバランスが悪くなる可能性があるでしょう。

全体矯正のように歯列全体を改善できるわけではないので、仕上がりは全体矯正よりも劣ります。「思った仕上がりにならなかった」と後悔しないように、治療後の仕上がりについて歯科医師としっかり相談し、矯正方法を検討しましょう。

歯を削る場合がある

前歯だけの部分矯正では、歯を並べるスペースが十分ではない場合、歯を削ってスペースを確保する必要があります。歯を削る量はわずかで、最大で0.5mm程度です。

歯の表面だけを削るため痛みもありませんが、健康な歯を削ることに抵抗がある方も少なくありません。歯並びの状態や希望の仕上がりによって、歯を削る処置が必要かどうかを判断します。

歯科医師の診察やカウンセリングの際に、確認するとよいでしょう。

噛み合わせの治療はできない

前歯だけの部分矯正では、奥歯の歯並びや噛み合わせは改善できません。奥歯の噛み合わせが悪い症例で前歯のみ矯正すると、噛み合わせのバランスがさらに崩れ、全身にも影響を及ぼす可能性があります。

噛み合わせが悪いと、うまく発音できなくなる、虫歯や歯周病のリスクが高くなる、お顔のバランスが悪くなるなど、さまざまな影響があります。前歯だけでなく、奥歯の歯並びや噛み合わせも気になる方は、全体矯正をしたほうがよいでしょう。

マウスピース矯正で前歯のみの治療にかかる期間

カレンダーに付箋を貼ってメモする女性

前歯のみのマウスピース矯正の治療期間は、歯並びの状態によって異なります。目安は、2か月〜1年6か月ほどです。全体治療は1〜3年ほど必要なので、前歯のみの部分矯正の場合は比較的短期間で治療を終えられます。

治療期間中は1〜3か月に1回通院し、お口の状態や治療が順調に進んでいるか確認します。ワイヤー矯正は月に1回通院が必要なため、通院の負担も少ないでしょう。

治療期間はお口の状態や治療方針、治療計画によって、一人ひとり異なります。実際の治療期間は、歯科医師に確認しましょう。

マウスピース矯正で前歯のみの治療にかかる費用

机に置かれた電卓と植物

マウスピースで前歯のみを矯正する場合にかかる費用は、使用するマウスピースの種類やブランド、必要な枚数などによって異なります。おおよその費用は、200,000〜450,000円ほどです。歯科医院によっても費用が異なるため、カウンセリングの際に確認しましょう。

マウスピース矯正は保険適用外ですが、一定の条件を満たす場合、医療費控除を受けられます。見た目の改善だけでなく、機能的な問題で矯正治療が必要であると歯科医師が診断した場合に対象となります。

まとめ

美しい顔で笑う女性の口元

前歯の歯並びだけを治療したい場合、マウスピース矯正での治療が可能です。

矯正治療は、費用が高い、治療期間が長いなどのイメージをお持ちの方が多いでしょう。

しかし、前歯のみの部分矯正であれば、費用や治療期間を最小限に抑えて治療できます。前歯のみのマウスピース矯正は適応症例が限られますが、メリットの多い治療です。

まずは、歯科医師の診察を受け、マウスピースで前歯だけの矯正ができるか相談しましょう。

マウスピース矯正での前歯の治療を検討されている方は、渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。