こんにちは。渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」です。
インビザライン・ファーストとは、乳歯と永久歯の交換時期にこどもが行うマウスピース矯正です。インビザラインは、これまで永久歯が生え揃ってからの矯正治療法として行われてきましたが、技術の進歩により乳歯と永久歯が混在する段階での治療も可能となりました。
今回は、インビザライン・ファーストとはどのようなものなのか、詳しく解説します。
目次
歯並びの重要性とこどもに与える影響
歯並びで最も気になるのは「見た目」ではないでしょうか。
しかし、見た目だけではなく、歯とお口が健康に発達していくためにも正しい歯並びはとても重要です。永久歯への生え変わり以降のこどもには、歯並びによって次の影響があります。
見た目が悪くなる
まずひとつは見た目です。
思春期に入るこどもにとって、見た目は非常に気になる問題でしょう。容姿のことでコンプレックスを抱き始める時期であり、友人に歯並びをからかわれるなどの心配もあるかもしれません。自分に自信がもてずに、精神的なストレスを抱えやすくなることもあるでしょう。
虫歯や歯周病になりやすくなる
歯並びが悪いと、汚れが周囲に溜まりやすくなるため、虫歯や歯周病になりやすくなります。こどものうちから虫歯や歯周病を増やすと、将来的に歯の寿命が短くなることにつながるでしょう。
「歯周病は高齢になってから」というイメージがあるかもしれませんが、10代のうちから歯肉に炎症を起こし、歯肉炎になってしまうケースはよくあるのです。そうなると、将来的に歯周病が進行する心配があります。
発音が不明瞭になる
歯並びが悪いと、発音への悪影響があります。例えば、上顎と下顎との間にすき間があると、すき間から空気が漏れて「イ」「キ」「シ」「チ」などの発音が不明瞭となります。また、歯並びの状況によっては、上顎の裏側に舌が触れる「カ行」「タ行」「ラ行」等も発音しにくくなるでしょう。
こどもの時期にうまく発音ができないと、しっかり発音ができないまま成長していくこととなり、大人になってからもコンプレックスとなる可能性があります。また、クラスメイトや友人とのコミュニケーションが大切な時期に発音に影響があると、精神的にも悪影響がでる可能性があります。
肩こりや頭痛の原因となる
歯並びが悪いことで噛み合わせが悪くなると、身体全体のバランスが乱れ、肩こりや頭痛などさまざまな不調が起こることがあります。こうした不調は、こどもの健やかな身体の発育をさまたげることになりかねません。
インビザライン・ファーストとは
インビザライン・ファーストは、乳歯と永久歯の交換時期に行うことができる矯正治療の「第1期治療」です。骨の成長する時期に、インビザラインを装着することで、永久歯がきれいに並ぶための土台作りをします。期間はおよそ1年半程度です。
インビザライン・ファーストだけで、永久歯の歯並びが全て完成するわけではありません。多くの場合、永久歯の歯並びを整えるためには、通常のインビザラインやほかの矯正装置を使った矯正治療を行う必要があります。
ただし、通常の矯正治療にかかる期間や費用が少なくなる場合や、状況によってはインビザライン・ファーストだけである程度きれいな歯並びになる場合があります。
第1期治療の特徴
矯正治療の第1期治療の目的は、顎の骨の正常な成長を促して、永久歯が生えるスペースを作ることです。
永久歯へ生え変わる6歳くらいから、永久歯が生え揃うまで治療を行います。骨の成長時期を利用して歯を動かしていくため、通常の矯正治療よりも痛みが少ないという特徴があります。また、こどもは変化に適応しやすいため、装置に早く慣れることが多いです。
多くの場合、第1期治療を行なったあと、通常の永久歯の矯正治療である「第2期治療」を行います。
インビザライン・ファーストを選ぶべき理由
インビザライン・ファーストのメリットは、以下のとおりです。
抜歯などの手術を回避できる可能性が高い
通常の矯正治療で、凸凹のある永久歯列を綺麗に並べるためには、スペースを確保するために抜歯が必要となることが多いです。
しかし、インビザライン・ファーストで歯列が拡大し、永久歯の生えるスペースが確保できるため、永久歯列の矯正で抜歯をしなくても済む可能性が高くなります。
第2期治療の期間を短くできる
永久歯の生えるスペースの確保など、骨格的な問題を第1期治療で解決することによって、永久歯列の矯正である「第2期治療」をスムーズに進めることができるようになります。場合によっては、治療期間が短く、費用も安くおさえられることがあります。
こどもが健やかに成長するための手助けとなる
先述したように、歯並びの乱れはこどもにさまざまな悪影響を及ぼします。
永久歯列の矯正治療をスムーズに進めるためだけでなく、こどもの時期から歯列を広げて歯並びをある程度整えることで虫歯や歯周病のリスクを減らし、全身的なバランスを整えることができます。また、歯並びの見た目を美しくすることで、こどもが自分に自信をもてるようになるでしょう。
インビザライン・ファーストの適応条件
インビザライン・ファーストの適応に向いている症例は、以下のとおりです。
適用できる年齢と歯牙状況
乳歯から永久歯の交換時期にあたる6歳から12歳くらいが対象となりますが、歯の萌出状況で判断します。
インビザラインシステムで、具体的に記されている歯牙状況は「第1大臼歯が萌出し終えており、切歯(真ん中から数えて2番目の歯)の2本が3分の2以上萌出していること」「少なくとも4分の3顎に、乳歯(C、D、E)または未萌出の永久歯(3、4、5)を2歯以上有していること」となっています。かかりつけの歯科医院で、インビザライン・ファーストの適応に向いているかどうか判断してもらいましょう。
インビザライン・ファーストが向いている症例
インビザライン・ファーストでは、あごの横幅・大きさを広げる治療がメインなので、細かな歯並びを整えることはできません。
乳歯列の段階で明らかに歯と歯の間がつまっており、永久歯の生えるスペースが足りない場合や、生え始めてきた永久歯のスペースが足りずに明らかに歪んで生えてきている場合は、インビザライン・ファーストの適応となる可能性が高いでしょう。
矯正装置の見た目が気になる場合でも、インビザライン・ファーストは透明なマウスピース型の装置のため、安心して装着できます。
インビザライン・ファーストに関する注意事項
どのような治療法にもデメリットがあるように、インビザライン・ファーストにもデメリットは存在します。インビザライン・ファーストのデメリットは、以下のとおりです。
装着時間を守らなければならない
インビザライン・ファーストは、取り外しができるというメリットがありますが、決められた時間、毎日装着しないと計画どおりの効果はあらわれません。
こどもの場合、自己管理がまだ難しいため、周囲の大人が一緒になって管理する必要があります。装着時間を守ることが難しい場合は、ほかの矯正装置を使った第1期治療を選択するのがよいでしょう。
向いていない症例がある
インビザライン・ファーストは、上下顎の大きさに明らかなアンバランスがある場合や噛み合わせに大きな問題がある場合など、スペースを広げるだけで解決しないような症例には向いていません。
まとめ
インビザライン・ファーストは、本格的な矯正治療の前段階として行う、こども向けのマウスピース型矯正装置です。インビザライン・ファーストを的確に使用することで、永久歯の生えるスペースを確保し、歯並びを整えていくための土台づくりができます。
透明なマウスピース装置で取り外しができるため、簡単に使用できるように感じますが、装着時間を守る必要があり、およそ1年半の間使い続けなくてはなりません。こどもの協力が必要不可欠のため、お子さまと必ず相談のうえ、かかりつけの歯科医師と共に治療を検討しましょう。
インビザライン・ファーストを検討されている方は、渋谷駅・表参道駅から徒歩5分の歯医者「渋谷青山通り歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。