歯周病とは?
歯周病は、みがき残しなどが原因で歯ぐきに炎症が起こる生活習慣病の一種で、放っておくと歯を支える顎の骨まで進行してしまいます。
顎の骨まで進行すると、骨は炎症が起こらないように自ら骨を溶かしてしまうため、歯は支えとなる骨を失い抜け落ちてしまうのです。
歯周病は自覚症状がほとんどないうえに、糖尿病や心臓血管系の疾患などとのかかわりも指摘されており、放置しておくと非常に危険な病気です。
もっとも多い自覚症状は「ブラッシングをすると血が出る」ですが、歯肉が出血しているということは血管が破けているということで、破けた血管に口腔内の細菌が入り込むと血管を通って全身にまわってしまうのです。
なお、このブラッシングによる出血は、その付近に汚れがたまっているという証拠です。
「血が出るからブラッシングを控える」ではなく、より念入りにブラッシングをして汚れをためないようにすることが大切です。
歯石除去で歯周病や口臭予防
渋谷青山通り歯科・矯正歯科では、歯周病予防・口臭予防にも対応しております。
歯茎からの出血がある方、口臭が気になる方はお気軽にご相談ください。
実はあなたもかかっている!? 歯周病チェックリスト
以下の項目に一つでも当てはまったあなたには、歯周病治療をおすすめします。
歯がグラグラする |
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ブラッシングをすると血が出る |
プラークなどの汚れがたまっているのがわかる |
歯ぐきが下がって根元が見えている |
口臭がする |
歯周病と全身の関係
歯周病菌に感染すると、まず口腔内で歯ぐきの炎症が起こります。
ブラッシングをすると血が出たり、赤く腫れたりするのはこのためです。進行すると歯が抜けてしまうことも……。
そして歯周病菌は、口腔内から唾液や血管を通り、全身に巡って各組織でさまざまな悪影響をおよぼすことがわかっています。
心臓疾患 | 歯周病菌が全身に巡り、心臓に血栓を作ることがあります。歯周病にかかっていると心疾患になる確率が倍増するといわれています。 |
実際の研究報告/喫煙や加齢、血中コレステロール増加などの他の要因を除いても、歯周病に罹患している人はそうでない人に比べて心臓病リスクが25~50%も増加することがわかっています(海外の研究者・DeStefanoによる9,760人を対象とした14年の追跡研究などより)。 |
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肺疾患 | 歯周病菌が唾液を介して気管に入り込むと、誤嚥性肺炎(※)などを起こすことがあります。 |
実際の研究報告/入院して呼吸器系の集中治療を受けている患者の口腔内の細菌を調べたら、入院せずに外来で通院をしている患者よりも呼吸器感染にかかわる細菌が多く検出されたことがわかっています。 |
糖尿病 | 歯周病菌はインスリンの活動に影響するため、血糖値のコントロールが難しくなります。 |
実際の研究報告/海外の研究によると、全身的な抗生物質の投与、抜歯などの外科治療を含む歯周病治療を行った結果、血糖コントロールの悪い糖尿病患者でもインスリン量の減少と糖化ヘモグロビン値の改善が報告されています。 |
早産 | 歯周病菌による炎症が子宮を収縮させて陣痛に似た動きをすることで、早産を招く可能性があります。 |
実際の研究報告/中等度以上の歯周病に罹患していると通常の7.5倍の確率で低体重児を出産しやすく、そのリスクは喫煙やアルコール摂取よりも重いものであるという報告がなされています(海外の研究者・Offenbacherによる研究結果)。 |
進行状況に応じた歯周病の治療法
軽度の歯周病(歯肉炎) ~あなたもなっているかも?~
症状 | 歯と歯ぐきの間にあるすき間(歯周ポケット)が少し深くなって、プラークが歯に付着して歯ぐきが軽く炎症を起こしている状態です。 |
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治療法 | ブラッシング指導ごく軽度の場合は、正しいブラッシングで改善することがあります。歯並びやみがき方のクセなどを踏まえた正しいみがき方をお話しします。 スケーリング歯に付着したプラーク・歯石を取り除くスケーリングという処置を行います。 |
中度の歯周病 ~顎の骨まで炎症が進む段階です~
症状 | プラークが歯石になり、歯と歯ぐきの間のすき間(歯周ポケット)が開いてきます。 |
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治療法 | スケーリング・ルートプレーニング歯周ポケット内部の歯に付着したプラーク・歯石を削り取るスケーリングを行います。 フラップオペレーション歯石が深くまでついていて通常のスケーリングでは取りきれない場合に行います。 |
重度の歯周病 ~歯を失ってしまう可能性があります~
症状 | 歯周ポケットがかなり深くなり、顎の骨の半分以上が溶けて、歯のつけ根が見えている状態です。 |
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治療法 | 暫間固定歯周ポケット内部の歯に付着したプラーク・歯石を削り取るスケーリングを行います。 GTR法歯石が深くまでついていて通常のスケーリングでは取りきれない場合に行います。 【エムドゲイン(R)法】歯周組織にエムドゲインゲルという薬剤を注入し、GTR法同様に歯肉が入り込む前に歯周組織を再生させる方法です。 |
歯周病治療の方法(歯周内科治療)
通常、歯周病の治療には治療期間や治療内容において、患者様へ大きな負担を要します。
しかし、当院ではこうした負担を要する従来の歯周病治療に代わり、薬剤を用いて治療する新しい歯周病治療を導入しております。
歯周病は感染症の一種であるため、症状の原因である歯周病菌に対して専用の薬を使用することで除菌することが可能です。
また、歯周内科治療では従来の「歯ぐきをメスで切る」「悪い部分を取り除く手術を行う」などといった患者様に負担の伴うオペレーションを行う必要性を減少させることができます。
こうした薬剤を使用した歯周内科治療を施した患者様は、その後の定期検診時に非常に良好な状態で来院される方が数多くいらっしゃいます。
さらに、当院では顕微鏡(位相差顕微鏡)を用いた検査をおこないます。
顕微鏡は主に患者様のお口の中の歯周病を引き起こす原因菌の特定に用います。
最初に患者様の口内の汚れを少量採取し、顕微鏡にて原因菌を特定したのち、抗菌薬を当院で処方致します。
処方するお薬は飲み薬や患部に塗るお薬を使用して除菌していきます。
また、歯周内科治療はお薬だけで歯石を取らないわけではありません。
お薬を使用して除菌後に歯石を取ることによって出血による血管内への菌の進入(敗血症)を減らすことができます。
定期検診でしっかり予防をおこないましょう!
歯周病は歯肉炎の段階では、メンテナンス(定期管理)を行うことで状態は改善されます。
しかし、ある程度症状が進行している場合は出来るだけ早めに診察を受け、早期に治療することが大切です。
歯周病は自覚症状の少ない病気ですので、心配な方は一度検査を受けてみてご自身のお口の状態を確認しておきましょう。